高校の不登校生徒に対するICTの活用
2017年7月20日 05時00分文部科学省から発出された平成28年9月14日付け28文科初第770号「不登校児童生徒への支援の在り方について」の記2 (4) には、次のような規定があります。「義務教育段階の不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについては、平成17年7月6日付け17文科初第437号『不登校児童生徒が自宅においてIT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い等について』によるものとすること。」この規定からは、義務教育段階にない高校の不登校生徒に対しては、「17文科初第437号」が適用できないようにも読み取れます。
実際、ある国会議員の質問主意書に対する、内閣総理大臣の平成28年8月15日付け参議院議長あて答弁書「内閣参質191第9号」の「四の2について」でも、「17文科初第437号」による出席扱いは義務教育段階を対象としたものである、と記述されています。
ところが、同じ議員に対する、平成28年6月2日付け答弁書「内閣参質190第122号」の「四の1について」では、「17文科初第437号」に関して、「全ての小学校、中学校、高等学校等において」と記述されており、小学校、中学校だけでなく、全ての高校の不登校生徒も適用対象であることを示していました。そもそも「17文科初第437号」じたいに、適用対象を義務教育段階の不登校児童生徒に限るとの規定は、ありませんでした。
「17文科初第437号」の適用対象がこのように縮減されることは、平成28年6月から8月までのあいだに、政府で何らかの方針転換がおこなわれたことを意味しているのでしょうか。もし、そのあたりの事情を御存知の会員があれば、御教示いただければ幸いです。
(愛知県立旭陵高等学校:石川 伸明)