通信教育を問う。通信教育から問う。
2025年7月24日 08時34分会員のみなさま、はじめまして。宮崎朔と申します。現在、中央大学大学院文学研究科教育学専攻の博士後期課程に在籍しております。
私は、博士前期課程の頃にはじめた通信制高校での学習支援ボランティアをきっかけに通信教育に出会いました。その通信制高校は、不登校経験者の受け入れに積極的な「通学型」や「全日型」と呼ばれるタイプの学校でした。「通信なのに通学?不登校経験者が通う学校?」など、それまで通信教育に馴染みのなかった私にとって不思議に感じられることばかりでした。同時に、異なる背景をもつ生徒たちがともに学ぶ通信制高校の教育は、不登校に限らず学習に困難を抱える子どもたちの存在が明らかになっている現代社会の学校教育を再考する手がかりを与えてくれるだろうと感じました。こうした通信制高校のもつ不思議さと可能性に魅かれて通信制高校をフィールドに研究を始めました。現在は、不登校経験者が通信制高校を経由することでどのように変容するのか、そしてその変容の要因は何かといったことに関心を持ち、ボランティアとして活動しながら研究を継続しております。また、同じ関心を引き継ぎながら、通信制大学に関する共同研究にも参加しています。通信制大学に進学する若年層が増加傾向にあることに着目し、通学型大学のオルタナティブな選択肢としての通信制大学の可能性と課題について研究しています。
通信制高校で調査を続けている現在でも、通信教育についてまだまだ学ぶべきことが多いと痛感しております。本学会を通じて学術的にも実践的にも多くのことを学ばせていただこうと思っております。また、私自身も研究活動を通じて学会の発展に微力ながら貢献できればと思います。今後、会員のみなさまと研究交流ができますことを大変楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。
(中央大学大学院文学研究科教育学専攻 博士後期課程 宮崎 朔)