会員の声

特別支援学校高等部の通信教育

2017年7月20日 01時00分
会員の声

 特別支援学校高等部は、学校教育法第82条において準用する第84条の規定によって、通信教育(通信による教育)をおこなうことができます。この法律に基づいて、特別支援学校高等部の通信教育についての規定が、学校教育法施行規則第134条と特別支援学校高等部学習指導要領第1章第2節第6款の5にあります。しかし法規はあるものの、特別支援学校高等部の通信教育についての実施事例の報告などは見当たりません。

 特別支援学校高等部学習指導要領第1章第2節第6款の5は、「療養中の生徒及び障害のため通学して教育を受けることが困難な生徒について、各教科・科目の一部を通信により教育を行う場合」の規定です。これに対して高校の通信教育は、おもに経済的な理由のために通学が困難な勤労青年および成人のためのものですから、両者では、その目的が異なっています。

 高校の通信教育では、ちかごろ障害のある生徒が増加しているように見受けられます。そのため、特別支援学校高等部の通信教育と高校のそれとを比較し、両者に共通する問題や役割分担の在り方を検討することは、これからの通信教育学に必要な研究テーマになるのではないかと考えられます。

 ついては会員の皆様のなかで、もし特別支援学校高等部の通信教育について実施事例などを御存知の方があれば、是非とも御教示いただければ幸いです。

 連絡先:ishikawa.nobuaki@nifty.ne.jp

(愛知県立旭陵高等学校:石川 伸明)

(「日本通信教育学会報」通巻45号より)